LSA認定ボイストレーナー資格とは|取得の流れ・費用・できること
更新日:9月17日

結論:LSA認定ボイストレーナー資格が証明するのは、歌えることではなく「レッスンが成立すること」です。だから卒業試験は筆記ではなく、架空の生徒さんに短いレッスンを3本やってもらう形式になっています。
先に断っておくと、この記事を書いているのは、この資格を出している側の人間です。卒業試験を採点しているのも僕です。 第三者のレビューではないので、そのつもりで読んでください。そのかわり、他では読めないところまで書きます。
この記事でわかること
LSA認定資格が「何の証明」なのか
学習の進み方と、卒業試験で実際に出る3問
落ちる人にほぼ共通している1つの理由
費用に幅がある理由
取得したあとに何ができるようになるのか
ウタ子「資格っていろいろありますけど、これは何が違うんですか」
MASAYAH「見ているものが違います。うちは、あなたが歌えるかどうかを見ていません」
ウタ子「ボイトレの資格なのに?」
MASAYAH「はい。歌える人が教えられるとは限らないので。実際、試験で落ちるのはだいたい歌が上手い人です」
ウタ子「それ、言っていいやつですか」
MASAYAH「言います。知らずに受けるほうが気の毒なので」
LSA認定資格とは何の証明なのか
結論:ラニーシンガーズアカデミー(LSA)が発行する認定資格で、国家資格ではありません。証明しているのは、発声の仕組みを理解したうえで、それを人に伝えてレッスンとして成立させられる状態であることです。
世の中のボイトレ資格は、歌唱力や実技の到達度を見るものが少なくありません。うちがゴールに置いているのはそこではなく、「人に教えられること」のほうです。だから学習の中身も、発声理論の理解と、感覚を言葉に変換する練習に時間を使います。
これ、意地悪で歌唱力を外しているわけじゃないんですよ。教えられない上手い人を、僕は現場でたくさん見てきたからです。自分が感覚でできてしまう人ほど、「なんかこう、グッと」で終わってしまう。僕自身がその「グッと」を言われる側で1年半止まっていたので、恨みが深いんです。
資格の種類そのものを広く比べたい方は、こちらが先です。
学習の進み方
結論:オンライン教材を全30ステージに分けて進み、各ステージの動画を見て小テストに合格すると次へ進める形式です。理論 → 教えるための言葉 → 模擬レッスン → 試験、という順番で積み上がります。
流れを並べるとこうなります。
①発声の仕組みを理屈で押さえる:感覚ではなく、なぜそうなるのかを説明できる形で入れます
②教えるための言葉に変換する:自分が分かっている状態と、人に伝えられる状態は別物です。ここが一番時間がかかります
③模擬レッスンで実際に教えてみる:家族でも友人でも構いません。ここで初めて「知ってるのに教えられない」場所が見えます
④卒業試験:架空の生徒さんへのミニレッスンを3本
ペースは人それぞれで、最短だと90日という設計になっています。ただ、何か月で終わるかという話はこちらの記事のほうが詳しいので、期間が気になる方はそちらへどうぞ。
卒業試験で実際に出る3問
結論:試験は、画面の向こうの架空の生徒さんに短いレッスンを行う3問形式です。出題される生徒さんのタイプは、①声が小さい生徒 ②力ずくで歌う生徒 ③高い声を出したい生徒の3つです。
ここまで書いてしまっていいのか、と思われるかもしれません。いいんです。この3つは、現場に出たら必ず来る相談の上位3つだからです。隠しておいて本番で驚かせることに、何の意味もありません。むしろ全員がこの3つに答えられる状態で卒業してくれたほうが、僕は安心して認定証を渡せます。
試験では教科書を見ていても構いません。見ながらでいいのに落ちる人がいる、というところにこの試験の性格が出ています。見ているのは知識の量ではなく、レッスンとしての進み方と、これから伸びていけそうかどうかです。
不合格になっても再受験できます。ここも隠さずに書いておくと、再受験は有料で、5,000円です(2026年9月時点)。 そのかわり、落ちた回には「次はここを直してください」という重点ポイントを必ずお伝えしています。落とすための試験ではないので、同じところで2回つまずかせないのがこちらの仕事だと思っています。
落ちる人に、ほぼ共通している1つの理由
結論:不合格になる理由は、毎回ほとんど同じです。説明が長くなって、生徒さんに実際にやらせる前に時間が終わる。選んだトレーニングは合っているのに、ここで止まる人が本当に多いです。
採点していて一番よく書くコメントがこれです。ある回では、選んだアプローチ自体は正確だったのに、話している時間が9割で、実践がほとんど無いまま終わりました。別の回では、3問とも内容の方向性は良かったのに、共通の指摘がやはり「説明が長い」でした。
気持ちはものすごく分かるんですよ。教える側に回ると、知っていることを全部渡したくなるんです。でも生徒さんの立場で考えると、聞いている時間より、自分の声が変わった瞬間のほうが何十倍も記憶に残ります。教えるというのは、話すことではなく、やらせて変化を体験させることだったというのが、僕自身がスクールを始めてから一番時間をかけて理解したことでした。
合格する人は、だいたい同じ4ステップで進めています。
①なぜこれをやるのかを、ひとこと伝える(「これは〇〇のためのトレーニングです」)
②すぐやらせる(説明の途中でも構いません。とにかく声を出させます)
③一回終わってから補足する(順番が逆だと入りません)
④もう一度やって、変化を本人に確認させる
特に高い声の課題は、先に見せてから手順を説明するほうが伝わります。言葉より、聞かせたほうが早いんです。
ウタ子「これ、試験の攻略法じゃないですか」
MASAYAH「いえ、レッスンのやり方です。たまたま試験でも同じものを見ているだけで」
ウタ子「……ズルくないやつでした」
MASAYAH「試験のためのテクニックを渡しても、現場で困るだけですから」
費用に幅がある理由
結論:LSA認定資格は月額¥6,500〜で、目指す級と進むペースによって総額が変わります。「◯◯円です」と1つの数字で言えないのは、終わるタイミングが人によって違うからです。
ここ、正直に書きます。金額の幅は、こちらの都合ではなくあなたの進み方の幅です。毎月まとまった時間が取れる人は早く終わりますし、仕事と両立しながらゆっくり進める人はその分だけ長くなります。だから「いくらですか」の答えは、本当は「どのくらいのペースで進めますか」とセットでしか出せません。
判断の軸としてお伝えしたいのは、安いかどうかより、独学で遠回りする時間と比べてどうかという見方です。うちのカリキュラムは、15年ぶんの現場の気づきを体系化して、それを約1年で渡すという設計思想で作ってあります。僕が1年半かけて何も掴めなかった時期のことを考えると、そこを短縮できること自体に値段がついている、という感覚です。
資格全体の相場感と回収の考え方は、こちらにまとめています。
取得したあとに何ができるようになるのか
結論:資格そのものが仕事をくれるわけではありません。ただ、「なぜこの練習をさせるのか」を説明できる状態になるので、個人で生徒さんを集めるときも、教室に応募するときも、話に芯が通ります。
具体的に変わるのは、この2つです。1つは、目の前の人の症状を見て、どのトレーニングを出すかを自分で選べるようになること。もう1つは、その選択の理由を相手の言葉で説明できるようになること。この2つが揃うと、教える場所を選ばなくなります。オンラインでも、教室でも、カラオケ店の一室でも成立します。
そしてこれは毎回お伝えしているのですが、教える側に回ると、自分の歌のほうが先に変わります。 人に説明するために言語化した瞬間、自分が何を感覚で誤魔化していたかが全部見えるからです。
🤔 よくある誤解Q&A
Q. LSA認定資格は国家資格ですか。
A. 違います。ラニーシンガーズアカデミーが発行する認定資格です。国家資格ではないことは最初にはっきりお伝えしています。
Q. 歌が上手くないと取れないのでは。
A. 逆です。見ているのは歌唱力ではなく、レッスンとして成立させられるかどうかです。歌が上手い方ほど、説明が長くなって苦戦する傾向があります。
Q. 試験は一発勝負ですか。
A. 再受験できます。教科書の持ち込みも認めています。再受験は有料(5,000円・2026年9月時点)ですが、落ちた回には次の重点ポイントをお伝えしているので、同じところでつまずいたまま終わることはありません。
Q. 資格を取れば生徒さんが来ますか。
A. 来ません。資格は「学んだ」という土台で、そこから先は知ってもらう仕組みが別に必要です。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. LSA認定ボイストレーナー資格とはどんな資格ですか?
A. ラニーシンガーズアカデミー(LSA)が発行する認定資格で、国家資格ではありません。発声の仕組みを理解したうえで、それを人に伝えてレッスンとして成立させられる状態であることを証明します。
Q2. 取得までの流れを教えてください。
A. オンライン教材を全30ステージに分けて進み、各ステージの動画を見て小テストに合格すると次へ進みます。理論の理解、教えるための言語化、模擬レッスン、卒業試験という順番です。
Q3. 卒業試験はどんな形式ですか?
A. 架空の生徒さんに短いレッスンを行う3問形式です。出題されるのは、声が小さい生徒・力ずくで歌う生徒・高い声を出したい生徒の3タイプで、教科書を見ながら受験できます。
Q4. 不合格になるのはどんなときですか?
A. ほとんどの場合、説明が長くなって生徒さんに実際にやらせる前に終わってしまったときです。選んだトレーニングが正しくても、実践の時間が無いと合格になりません。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 月額¥6,500〜で、目指す級と進むペースによって総額が変わります。進み方が人によって違うため、総額は無料の個別相談でペースを聞いたうえでお伝えしています。
Q6. 卒業試験に落ちたらどうなりますか?
A. 再受験できます。再受験は有料で5,000円です(2026年9月時点)。不合格の回には次に直すべき重点ポイントをお伝えしているので、そこを潰してから受け直す流れになります。
Q7. 未経験でも取得できますか?
A. できます。歌唱力ではなく教える力を育てる設計なので、指導経験がない状態から始める方が大半です。楽譜が読めない前提でも進められるようにカリキュラムを組んであります。
✏️ まとめ:この資格が見ているのは、あなたの歌ではありません
LSA認定ボイストレーナー資格は、歌える証明ではなく、教えられる証明です。そのことは、卒業試験の中身にそのまま出ています。3人の架空の生徒さんを前にして、説明を短く切り上げて、まず声を出させられるかどうか。見ているのはそこだけです。
もし今、自分の歌に自信がないから資格なんて無理だと思っているなら、順番が逆かもしれません。教え方を学ぶと、自分の声のほうが先に変わります。 僕はそれを、遠回りした末に知りました。
ウタ子「私、人前で説明するのが苦手なんですけど」
MASAYAH「なら向いてます。喋りすぎないので」
ウタ子「そこが評価されるんですか」
MASAYAH「されます。長く喋る才能は、この試験ではむしろ敵なので」
これまで15年・約3,000人を教えてきたMASAYAHのラニーボーカルスクール東京が認定する、ラニーシンガーズアカデミー(LSA)では、発声理論から指導の言語化までをオンラインで学べます。自分のペースだとどのくらいで終わりそうかも含めて、無料の個別相談で一緒に見積もれます。
今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。

次に読む
著者:MASAYAH
明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。


