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歌が上手くなりたいなら「教え方」を学べ|遠回りに見えて最短な理由

  • 7月16日
  • 読了時間: 7分

更新日:14 時間前

ボイストレーナーが生徒の胸に手を添えながら呼吸法を指導している様子

結論:歌を上手くなりたいなら、一人で黙々と練習するより「人に教えるつもりで」自分の声に向き合うほうが近道です。教えるには感覚を言葉にする必要があり、その言語化こそが上達の正体だからです。


この記事でわかること

  • なぜ「教えること」が回り道でなく近道になるのか

  • 一人で練習しても伸び悩む人に共通していること

  • 今日からできる「教えるつもり」練習法

  • プロの指導者も同じ壁にぶつかってきたという話

  • 遠回りに見える方法が、結果的に一番早い理由


「毎日練習しているのに、なぜか頭打ち」。そう感じたことはありませんか。実はその感覚、才能の問題ではありません。指導歴15年・約3,000人を指導してきた中で見えてきたのは、伸び悩みの正体はほとんどの場合「自分の感覚を言葉にできていないこと」だという事実です。今日はその壁の越え方を、私自身の経験も交えてお話しします。



一人で練習しても伸び悩む本当の理由


結論:一人での練習は「なんとなく良い・悪い」の感覚だけで終わりがちで、次に何を直せばいいかが言葉になっていないから伸び悩みます。


歌の練習は、たいてい「録音して聴いてみる」「良かった気がする」「もう一度歌う」のループになります。このループ自体は悪くありません。ただ、そこに欠けているものがひとつあります。「なぜ良かったのか」「何がどう変わったから良くなったのか」を、自分の言葉で説明できているかどうかです。


感覚のまま繰り返す練習は、うまくいった日とうまくいかない日の差が偶然任せになります。一方、「今のは息の支えが浅かったから高音で声が細くなった」というように原因を言葉にできると、次の練習で狙って直しにいけます。この「言葉にする力」こそが、実は上達のスピードを決めている一番の要素なんです。



なぜ「教えるつもり」で練習すると変わるのか


結論:人に教えようとすると、「なんとなく」では説明できないので、否応なく自分の感覚を言語化することになるからです。


これは私自身が実感してきたことでもあります。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを学んでいた頃、私は「良い声」を感覚では掴めても、それを言葉で説明することはできませんでした。歌うことと、教えることは別の技術だと痛感したのはこの頃です。


帰国して新宿でラニーボーカルスクール東京を始めてから、状況は一変しました。生徒さんを前にすると「なんとなく良い」では通用しません。「今の高音、喉で頑張って出そうとしていましたよね。それより、お腹からの息の量を増やす意識に変えてみてください」というように、感覚を分解して言葉にする必要に迫られたんです。


最初はこれがまったくうまくいきませんでした。自分では分かっているつもりのことが、いざ言葉にしようとすると出てこない。生徒さんに「どういうことですか」と聞き返されて、答えに詰まる。そんな場面が何度もありました。もどかしさで、正直しんどい時期もありました。


でも、この「言葉にできない感覚」と向き合い続けたことで、皮肉なことに一番変わったのは生徒さんの声ではなく、自分自身の歌でした。教えるために発声のメカニズムを分解する作業を重ねるうちに、自分が無意識にやっていたことの正体が見えてきたんです。感覚でしか捉えていなかったものが、理屈として理解できるようになった。そこから、自分の声もそれまでより安定して、狙った通りにコントロールできるようになっていきました。


具体的に言うと、教える仕事を始めた頃の私は、実は高い声がまともに出せませんでした。ミックスボイスが何なのかも、正直よく分かっていなかったんです。それが良かったのかどうかは今でも分かりませんが(笑)、「高い声を自分でコントロールして出せる」とは到底言えない状態でした。それでも生徒さんの「高い声が出ない」という悩みに向き合い、レッスンのたびに頭を悩ませながら試行錯誤を重ねていくうちに、いつの間にか自分自身がスムーズに高い声を出せるようになっていました。ミックスボイスの構造も、頭でなく体で理解できるようになっていったんです。



今日からできる「教えるつもり」練習法


結論:新しい練習メニューを増やす必要はありません。今の練習に「言葉で説明する」というひと手間を足すだけです。


  • 録音を聴いたら、良かった点・悪かった点を「頭の中」ではなく「声に出して」説明してみる。誰かに教えている体で話すと、驚くほど曖昧さに気づきます

  • 「なんとなく良かった」で終わらせず、「なぜ良かったのか」を最低ひとつ言葉にしてから練習を終える

  • 家族や友人に「ちょっと聴いて」と頼み、感想を言われたらその場で「こういう理由でこう歌った」と説明してみる。相手が音楽に詳しくなくても効果は同じです


これだけで、練習の質はかなり変わります。



プロの指導者も同じ壁を越えてきた


結論:「教える力」は生まれつきの才能ではなく、後から鍛えられる技術です。だからこそ、これから教える側に回りたい人にも十分に道が開かれています。


この「感覚を言語化する」という壁は、私だけでなく、教える立場に回ろうとする人なら誰もがぶつかるものです。逆に言えば、これは訓練で乗り越えられる技術だということでもあります。


「教える」というと、資格を持ったプロだけの話だと思われがちですが、そもそも資格やプロという立場自体が、この壁を越えるための後押しになります。ボイストレーナーという仕事の全体像は、こちらの記事にまとめてあります。




🤔 よくある誤解Q&A


Q. 教えるには、まず自分が完璧に歌えるようにならないといけない?

A. いいえ。むしろ「まだ発展途上の自分」が言語化に苦労する過程そのものが、上達を加速させます。完璧を待つ必要はありません。


Q. 「教えるつもり」練習は、独学でもできる?

A. できます。誰かに実際に教える必要はなく、声に出して説明する練習だけでも効果があります。


Q. 感覚を言葉にするのが苦手なタイプでもできる?

A. 苦手だからこそ効果があります。得意な人はすでに言語化できているので伸び悩みにくく、苦手な人ほど伸びしろが大きい分野です。


Q. これはボイストレーナーを目指す人だけの話?

A. 違います。教える仕事に興味がなくても、「自分の歌を上手くしたい」という目的だけでも十分に使える練習法です。



❓ よくある質問(FAQ)


Q1. なぜ人に教えると自分の歌が上手くなるのですか?

A. 教えるためには感覚を言葉にして説明する必要があり、その言語化の過程で自分の発声の仕組みへの理解が深まるからです。


Q2. 「教えるつもり」で練習するとは、具体的に何をすればいいですか?

A. 録音を聴いた感想を声に出して説明する、良かった理由をひとつ言葉にしてから練習を終える、などの小さな習慣で実践できます。


Q3. これは初心者でもできる方法ですか?

A. できます。上手い・下手にかかわらず、感覚を言語化する練習はどのレベルからでも始められます。


Q4. 一人で練習するより誰かに聴いてもらったほうがいいですか?

A. 必須ではありませんが、聴いてもらって説明する機会があると言語化の精度が上がりやすくなります。


Q5. この考え方はプロの指導者も実践していることですか?

A. はい。感覚を言語化する力は、指導する立場になった人の多くが直面し、鍛えてきた技術です。



✏️ まとめ:遠回りに見えて、実は一番の近道


歌を上手くなりたいなら、感覚のまま繰り返す練習から一歩進んで、「教えるつもりで」自分の声を言葉にしてみてください。それは遠回りに見えて、実は伸び悩みを抜け出す一番の近道です。あの頃、感覚だけで歌っていた自分に、今なら胸を張ってそう伝えられます。


もし一人での練習に限界を感じたら、プロの耳を借りて自分の感覚を一緒に言語化していく方法もあります。無理なく自分の声と向き合いたい方は、無料体験レッスンでその感覚を確かめてみてください。そしてこの「教えると伸びる」という仕組みそのものにもっと興味を持った方には、私が主宰するラニーシンガーズアカデミー(LSA)で、教える技術を体系立てて学ぶ道もあります。あなたに合った形を無料の個別説明会で一緒に設計できますので、話を聞いてみたい方はこちらからどうぞ。




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著者:MASAYAH


明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。

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