演歌はJ-POPより難しい?技術の高いジャンルから学ぶ発声のコツ

結論:演歌はJ-POPより技術的な難易度が高いジャンルです。ゆったりしたテンポの中で、ビブラート・こぶし・地声と裏声の切り替えといった細かい技術を、一音ずつはっきり聴かせる必要があるからです。そのぶん、演歌の練習はあらゆるジャンルに効く発声の土台になります。
この記事でわかること
演歌がJ-POPより難しいと言われる理由
演歌に詰まっている発声の要素
年齢による声の変化と、演歌との相性
今日からできる、演歌を歌うための練習の組み立て方
ウタ子「演歌って、正直おじいちゃんおばあちゃんの歌って思ってたんだけど😅」
MASAYAH「それ、レッスンで言ったら全国の演歌好きに囲まれるやつ」
ウタ子「いや言わないけど。でも簡単そうに聞こえるじゃん。ゆっくりだし」
MASAYAH「そこが落とし穴😏 ゆっくりだから、ごまかしが一切きかないんだよ」
ウタ子「え、速い曲の方が難しくない?」
MASAYAH「僕の見立てだと、技術の難しさは演歌のほうが上。理由、ちゃんとあるから聞いて」
演歌がJ-POPより難しいと言われる理由
結論:演歌はテンポがゆったりしている分、一音一音の声の質や揺らし方がそのまま聴き手に届きます。リズムや伴奏の勢いで流せる部分が少なく、技術の粗が隠れにくいジャンルです。
僕はレッスンで「演歌はJ-POPより技術的に難しい」とよく話しています。J-POPはテンポが速く、言葉数も多いので、多少の粗はリズムの勢いで前に進んでいけます。ところが演歌は、一つの母音を長く伸ばし、その中で声の表情を変えていく場面がとても多い。
長く伸ばす音の中で、ビブラートの波の大きさや速さ、声の太さ、強弱を細かくコントロールする。しかも歌詞の物語を背負ったまま。これを一曲通してやり切るのが、演歌の難しさです。
演歌に詰まっている発声の要素
結論:演歌には、ビブラート・こぶし・地声と裏声の切り替え・強弱の設計という、ボイトレで扱う主要な技術がほぼ全部入っています。
要素 | 演歌での使われ方 | 鍛えられる力 |
ビブラート | 伸ばす音の終わりに、ゆったり深く揺らす | 息の支えと、喉の力を抜く感覚 |
こぶし | 一つの音の中で細かく音程を回す | 声の細かいコントロール |
地声と裏声の切り替え | 力強い言葉と繊細な言葉で声を使い分ける | 換声点の安定 |
強弱の設計 | フレーズごとに抑えて、ここぞで開く | 一曲を通した表現の組み立て |
ビブラートは、ジャンルによって波の取り方が違います。レッスンでも説明しているのですが、日本語の曲はゆったりした大きな波、洋楽はもっと細かく速い波で取ることが多い。演歌は日本語の曲の中でも、この「ゆったり深い波」を最も堂々と聴かせるジャンルです。ビブラートがうまくかからない方は、まず仕組みから押さえておくと練習が楽になります。
年齢による声の変化と、演歌との相性
結論:年齢とともに、女性は声が太くなって高音が出にくくなり、男性は逆に声が細くなる方向に変化しやすいと僕は見ています。演歌は声の太さや渋さをそのまま魅力にできるジャンルなので、変化した声を活かしやすいのが特徴です。
「昔は出ていた高い音が出なくなった」という悩みは、大人の生徒さんからよく聞きます。でも、声が変わること自体は悪いことではありません。声が太くなれば、低めの音域に深みが出ます。声が細くなれば、繊細な表現がしやすくなります。
演歌は、高い声の派手さより、声の厚みや言葉の重さで聴かせる場面が多いジャンルです。今の自分の声で一番気持ちよく響く音域を探して、キーを合わせる。それだけで、無理なく「味」のある歌になっていきます。
ウタ子「声が変わるのって、劣化だと思ってた。味になるんだ😮」
MASAYAH「そう。年齢重ねた声にしか出せない色ってあるんだよ」
ウタ子「でも地声と裏声の切り替えとか、私ガタガタなんだけど😵」
MASAYAH「それは演歌で練習すると一番伸びるとこ。切り替える場所を先に決めちゃえばいい」
ウタ子「先に決める? その場のノリじゃだめなの?」
MASAYAH「ノリでいけるのは僕くらい🎓 …冗談。プロほど事前に設計してるよ」
今日からできる、演歌を歌うための練習の組み立て方
結論:一曲を通して何度も歌うのではなく、苦しくなる箇所を特定し、地声と裏声の使い分けを事前に決めてから部分練習します。
ステップ1|苦しくなる場所に印をつける
一度通して歌い、息が続かない・声がひっくり返る箇所を歌詞カードに印をつける
印は「なんとなく苦しい」ではなく「この言葉で苦しい」まで絞る
ステップ2|地声と裏声を事前に決める
印をつけた箇所ごとに、「この言葉は地声で強く」「この言葉は裏声で繊細に」と決める
歌詞を見ながら歌ってかまわない。先に発声の作戦を固めることを優先する
地声と裏声の繋ぎ目が不安定な方は、こちらの練習も合わせてどうぞ
ステップ3|伸ばす音だけを取り出して練習する
サビの一番長く伸ばす音だけを、伴奏なしで歌う
伸ばし始めはまっすぐ、終わりにかけてゆったり揺らす
喉が疲れたら力みのサイン。お腹が疲れるくらいがちょうどいい
ステップ4|最後に一曲通す
部分練習で決めた作戦を、通しで確認する
通しは練習ではなく「確認」と割り切ると、雑な繰り返しを防げる
自分の練習を「人に説明するつもり」で組み立てると、作戦がよりはっきりします。
🤔 よくある誤解Q&A
Q. 演歌はゆっくりだから、J-POPより簡単?
A. いいえ。ゆっくりな分、一音ずつの声の質や揺らし方が隠れずに聴こえるため、技術的な難しさはむしろ高いジャンルです。
Q. 年齢で声が変わったら、演歌は歌いにくくなる?
A. いいえ。演歌は声の太さや渋さを魅力にできるジャンルです。今の声に合ったキーを選べば、変化した声を活かしやすくなります。
Q. こぶしやビブラートは、生まれつきの才能でしか身につかない?
A. いいえ。どちらも息の支えと喉の脱力を土台にした技術なので、仕組みを理解して練習すれば身につけられます。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 演歌とJ-POPでは、どちらが難しいですか?
A. 技術的には演歌のほうが難しいと考えています。テンポがゆったりしていて、ビブラートや声の表情の変化が一音ずつはっきり聴こえるためです。
Q2. 演歌を練習すると、ほかのジャンルにも役立ちますか?
A. 役立ちます。ビブラート、地声と裏声の切り替え、強弱の設計など、演歌にはボイトレの主要な技術がほぼ全部含まれています。
Q3. 年齢とともに高い声が出にくくなりました。どうすればいいですか?
A. 無理に昔のキーにこだわらず、今の声が一番気持ちよく響くキーに合わせてください。声の変化は、深みや味として活かせます。
Q4. 演歌の練習は、どこから始めればいいですか?
A. 一曲通して歌うより、苦しくなる箇所を特定して、地声と裏声の使い分けを事前に決める部分練習から始めるのがおすすめです。
✏️ まとめ:演歌は「ごまかせない」から、声の土台が育つ
演歌は、ゆったりしたテンポの中で一音ずつの声を聴かせるジャンルです。だからこそ難しく、だからこそ練習するほど発声の土台が育ちます。年齢で変わった声も、演歌ならそのまま味になります。苦しい箇所に印をつけて、作戦を決めて、一音ずつ。それが一番の近道です。
ウタ子「演歌、ちょっと見直したわ。今度カラオケで入れてみよっかな😳」
MASAYAH「いいね。君の声、意外と演歌向きだと思うよ」
ウタ子「意外とって何。褒めてんの、それ😒」
MASAYAH「褒めてる褒めてる。期待してるってこと」
ウタ子「…まあ、そこまで言うならやってみる」
MASAYAH「うん。歌ったら感想聞かせてね🔥」
一人でやってみて「これ合ってるのかな?」となったら、無料体験レッスンで一度プロの耳を借りてみてください。
今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。

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著者:MASAYAH
明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。


