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歌ってみた・弾き語り配信のその先|発信を続けた人が「教える側」に向いている理由

8月20日
読了時間: 8分

更新日:10月7日

マイクとギターで弾き語り配信をする人。歌ってみた・弾き語り配信者をイメージした写真

結論:発信を続けてきた人が教える側に回るとき、武器になるのは歌の上手さではありません。どう歌えば伝わるかを、人知れず何百回も試してきた経験のほうです。


この記事でわかること

  • 配信を続けていると必ず来る、出口が見えなくなる時期

  • 配信経験が指導のどこに効くのか

  • 配信と指導で決定的に違う一点

  • 配信者がいちばん見落としていること

  • 発信をやめずに小さく始める方法




ウタ子「配信は続けてるんですけど、最近ちょっと迷子で」




MASAYAH「再生数が伸びない時期ですか」




ウタ子「それもあるし、これ続けて何になるんだろうって」




MASAYAH「分かります。僕も自宅で録ったのをネットに上げてた頃、同じこと思ってました」




ウタ子「えっ、先生も配信者だったんですか」




MASAYAH「配信とは言わない時代でしたけどね。やってたことは同じです」





配信を続けていると必ず来る、出口が見えなくなる時期


結論:再生数という一本の物差ししか無いと、伸びが止まった瞬間に続ける理由まで一緒に無くなります。


歌ってみたも弾き語り配信も、始めたばかりの頃は分かりやすく変化が出ます。前より聴いてもらえた、コメントがついた。その手応えで続けられます。


ところが、ある時期から数字が動かなくなります。歌は確実に上手くなっているのに、数字だけが止まる。このとき、積み上げてきたものまで無駄だったように感じてしまうんです。


でも実際に積み上がっているものは、数字とは別のところにあります。それが何なのかを、次に書きます。


配信経験が指導のどこに効くのか


結論:配信者は「相手に届く形に直す」作業を、誰にも言われずに何百回もやってきています。これは教える仕事の中心そのものです。


配信をしていると、自然とやっていることがあります。ここはもっとはっきり発音したほうが伝わるかな、この入り方だと置いていかれるかな、という調整です。相手の顔が見えないぶん、想像で補いながら何度も直している。


これ、指導でやっていることとほぼ同じなんですよ。目の前の生徒に対して、どの言い方なら届くかを探り続ける作業ですから。


だから僕は、感覚だけで歌えてしまう人より、試行錯誤しながら発信を続けてきた人のほうが教える仕事に馴染みやすいと思っています。つまずいた経験の数が、そのまま引き出しの数になるからです。向き不向きの話はこちらにまとめています。



僕も、3,000円のマイクでネットに上げていました


結論:発信が何かにつながるとしたら、質の高さではなく、続けていたという事実のほうからです。


ニューヨークにいた頃、僕はMySpaceというサービスに自分のデモ音源を上げていました。Facebookより前の、SNSの走りみたいなものです。今でいう歌ってみたの、だいぶ遠い先祖だと思ってください。


録音環境はひどいものでした。使っていたのは会議の録音に使うような3,000円くらいのマイクです。それで自宅でアッシャーの曲を歌って、音質の低いデモを上げていました。今聴いたら、たぶん耳をふさぎます。


上手くなってから上げようとは、一度も思いませんでした。というより、上手くなる日がいつ来るのか分からなかったので、今あるものを出すしかなかったんです。


その質の低いデモを聴いた現地のプロデューサーから、ある日連絡が来ました。そこから制作の仕事につながっていきます。良いものを作れたから声がかかったのではありません。上げ続けていたから見つかっただけです。


だから「まだ聴かせられるレベルじゃない」という理由で止まっている人には、それは止まる理由にならないですよ、と言いたくなります。


配信と指導で、決定的に違う一点


結論:配信は不特定多数に向けて一度に話せますが、指導は目の前の一人に合わせて言い換えなければなりません。ここだけは、配信経験では埋まりません。


配信では、伝わらなかった人は静かに離れていきます。こちらは気づけません。だから「全体に向けた最適な言い方」を一つ用意すれば成立します。


指導はそうはいきません。目の前の人に伝わらなかったことが、その場ではっきり分かります。そして、別の言い方に切り替えないと先へ進めません。同じ内容を三通りも四通りも持っている必要があるんです。


ここが配信者が最初に戸惑うところです。ただ、これは才能ではなく準備の問題なので、意識して練習すれば埋まります。その仕組みはこちらで詳しく書いています。





ウタ子「三通りって、けっこう大変じゃないですか」




MASAYAH「大変ですよ。でも配信してる人は、実はもう持ってるんです」




ウタ子「持ってます?」




MASAYAH「同じ曲を何回も録り直したでしょう。あれが言い換えの練習です」




ウタ子「……全部つながってるんですね😳」




MASAYAH「つながってます。無駄だった時期なんてないですよ」




配信者がいちばん見落としていること


結論:配信のアーカイブを聴き返していない人が、驚くほど多いです。出した時点で終わりにしてしまうと、いちばん濃い教材を捨てていることになります。


これは実際に配信をしている生徒さんを見ていて、いつも指摘することです。配信は出すこと自体に体力を使うので、終わったら見返さずに次へ行ってしまう。気持ちはとても分かります。


ただ、客観的なフィードバックが手に入らないまま回数だけ重ねると、同じ癖を強化し続けることになります。録って、聴き返して、気づく。この一周が無いと、回数は経験に変わりません。


教える側に回ろうと思うなら、ここは先に身につけておくと強いです。自分の声を聴き返せる人だけが、人の声も聴けるようになります。


発信をやめずに、小さく始める方法


結論:配信をやめる必要はありません。今の生活を変えずに、無料か低価格で一人だけ教えてみるところから始められます。


いきなり教室を開く必要も、仕事を辞める必要もありません。現実的な順番は、今の仕事や配信を続けたまま、まず身近な一人を無料か低めの価格で教えてみることです。


このとき、いきなり全国に向けたオンライン展開から入るのはおすすめしません。競合がいきなり全国区になるからです。まずは手の届く範囲の人から始めたほうが、確実に経験が溜まります。


収入の形まで含めた現実的な進め方は、こちらに分けてあります。



🤔 よくある誤解Q&A


Q. 配信をやめないと教える側にはなれない?

A. なれます。むしろ発信を続けている人のほうが、教えている内容を自分で確かめ続けられます。


Q. 再生数が伸びていないと教える資格がない?

A. 関係ありません。数字は届いた量の記録であって、届け方を工夫した量の記録ではないからです。


Q. 歌がずば抜けて上手くないと教えられない?

A. 逆に、苦労せずできてしまった人のほうが説明に困ります。つまずいた経験のある人のほうが伝えられます。


Q. 教えることは、配信とは別の新しい道?

A. 別の道ではなく延長線です。どちらも「どう届けるか」を考え続ける仕事です。


❓ よくある質問(FAQ)


Q1. 歌ってみたや弾き語り配信の経験は、教える仕事にどう活きますか?

A. どう歌えば伝わるかを繰り返し調整してきた経験が、そのまま指導の引き出しになります。


Q2. 配信と指導でいちばん違うところは何ですか?

A. 配信は全体に向けた言い方を一つ用意すれば成立しますが、指導は目の前の一人に合わせて言い換える必要があります。


Q3. 配信をしながら教えることもできますか?

A. できます。配信をやめずに、身近な一人を無料か低価格で教えるところから並行して始めるのが現実的です。


Q4. 教える側になるために、まず何をすればいいですか?

A. 自分の配信のアーカイブを聴き返すところからです。自分の声を客観的に聴けるようになることが出発点になります。


Q5. 教える経験を積むのに資格は必要ですか?

A. 必須ではありません。ただ、感覚を言葉に変える手順を体系立てて学ぶと、遠回りが減ります。


✏️ まとめ:続けてきた時間は、数字以外の形でも残っている


再生数が止まった時期は、何も積み上がっていないように感じます。でも実際には、どう歌えば伝わるかを試した回数だけが、確実に残っています。


それは数字には出ませんが、人に教えるときに一番効く種類の経験です。


質の低いデモをネットに上げ続けていた人間が言うので、そこは信じてもらって大丈夫です。




ウタ子「とりあえず、昨日の配信を聴き返すところからやってみます」




MASAYAH「それがいちばん早いです。たぶん死ぬほど恥ずかしいですけど」




ウタ子「言わないでください😭」




MASAYAH「恥ずかしいと思えた時点で、もう聴けてますからね🔥」




教える道に進むかどうかはまだ決めなくて大丈夫です。向いているかどうかだけ、一度誰かと話してみるのもひとつの手です。



今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。


歌で世界を一つに MASAYAH(手書き署名)

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著者:MASAYAH


明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。

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