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40代・50代からボイストレーナーになれる?年齢別のリアルと始め方

8月10日
読了時間: 10分

更新日:9月8日

マイクを持って歌う女性と、キーボードを弾きながら見守る年上の女性講師の2人

結論:40代・50代からボイストレーナーを目指すのは遅くありません。それどころか、これまでの職歴が若い講師には出せない「尖り」になります。ただし、この年代だからこそ順番を間違えると危ない。そこだけは正直に書きます。


この記事でわかること

  • 「もう遅い」と感じてしまう正体が、年齢ではないという話

  • 40代・50代がむしろ強くなる3つの理由

  • 始める前に必ず決めておきたい3つのこと

  • 現職を辞めずに小さく始める順番

  • 声や体力の変化との付き合い方




ウタ子「もう若くはないんですけど、今から歌を教える仕事って、さすがに遅いですよね」




MASAYAH「遅くないです。ただ、20代の人に言うのと同じアドバイスはしません」




ウタ子「あ、やっぱり年齢のハンデがあるってことですか」




MASAYAH「逆です。持っているものが多いぶん、失うものも多い。だから順番が変わるんです」




ウタ子「なんか急に現実的な話になってきましたね」




MASAYAH「はい。ここを飛ばして「大丈夫ですよ」とだけ言う記事にはしたくないので」




「もう遅い」の正体は、年齢ではありません


結論:40代・50代が感じる「遅い」は、能力の問題ではなく、今の生活で失うものが大きいことへの恐れです。年齢そのものが壁になっているケースは、実はほとんどありません。


ボイストレーナーというと、音楽業界にいた若い人がやる仕事、というイメージを持たれがちです。でも実際に生徒さんから選ばれる基準は、テクニックの新しさではありません。「この人になら、うまく歌えない自分を見せられる」かどうかです。


20代のころの私は、正直これが下手でした。知識を渡すことばかり考えていて、相手が何に困っているかを聞く前に喋っていた。人の話を聞く力とか、相手に合わせて説明を変える力って、生きてきた年数がわりと効くんですよ。


つまり40代・50代の方が本当に怖がっているのは、年齢ではありません。収入が下がること、家族に説明できないこと、この歳で失敗したら戻れないことです。それは正当な怖さなので、後の章できちんと扱います。


40代・50代がむしろ強くなる3つの理由


結論:同世代の生徒への安心感、自分自身が「今からでも変われる」証拠になること、そしてこれまでの職歴がそのまま差別化の武器になること。この3つは若い講師には作れません。

  • ①同世代・年上の生徒に安心感を与えられる:大人になってから歌を習い始める方はとても多いです。その方たちにとって、同世代の講師は「恥ずかしくない相手」になります。これは思っている以上に大きい

  • ②「今から始めても大丈夫」を自分の存在で証明できる:40代・50代から学び直して教える側に回った、という経歴そのものが、迷っている生徒さんへのいちばん強いメッセージになります

  • ③これまでの職歴が「尖り」になる:ここが本命なので、次に詳しく書きます


3つ目を掘り下げさせてください。ボイストレーナーは、正直なところ人数が多い仕事です。「発声を丁寧に教えます」だけでは、大手スクールと並んだときに選ぶ理由がない。だから特徴を尖らせる必要があります。


たとえば、以前ドラムをやっていた方に対しては「リズムから入るボイトレ」を看板にすることを提案したことがあります。音程や発声から入る先生は山ほどいますが、リズムから入る先生はほとんどいない。あるいは保育や教育の経験があるなら、5〜7歳の子供専門に振り切るという手もあります。


20代には「これまでの職歴」がありません。40代・50代にはあります。それは埋められない差です。今までの仕事を無駄だったと思っている方ほど、ここを見落としています。


自分の適性そのものが気になる方は、こちらもどうぞ。





ウタ子「ずっと経理の仕事をしてきた人でも、尖れますか」




MASAYAH「尖れます。数字が読めるボイストレーナー、めちゃくちゃ強いですよ」




ウタ子「歌と関係なくないですか」




MASAYAH「教室をやるなら関係あります。というかその話、次の章そのものです」




始める前に決めておく3つのこと


結論:この年代のキャリア相談で、私が必ず先に確認するのは①お金のシミュレーション ②期限 ③何を優先するかの3つです。ここを曖昧にしたまま走り出すと、いちばんつらい形で止まります。


ここは軽く書きません。真面目な章です。


① まず収入をシミュレーションする


夢の話より先に、電卓です。今の収入から何パーセント下がるところまでなら耐えられるかを、具体的な金額で出してください。家族がいるなら一緒に出してください。ここを飛ばして「なんとかなる」で始めると、いちばん踏ん張りたい時期に判断が鈍ります。お金の不安は、練習時間ではなく判断力を削るんです。


② 期限を決める


これは意外に思われるかもしれませんが、定職という保険を持ったままだと、かえって進まないことがあります。安心感がモチベーションを削ってしまう。だから「2年でここまで行く。行かなければ考え直す」というように、自分で期限を切っておく。逃げ道を全部塞げという話ではなく、期限のない挑戦は挑戦の顔をした先送りになりやすいという話です。


③ 「別の仕事への転職」を挟まない


ときどき「まず条件のいい別業種に転職して、生活を安定させてから音楽をやります」という相談を受けます。気持ちは分かるのですが、私はあまり勧めません。新しい業種を覚えるコストがまるごと音楽から時間を奪うからです。今の仕事を続けながら音楽に寄せていくほうが、遠回りに見えて近い。




ウタ子「夢の話をしに来たのに、電卓を出されるとは思いませんでした」




MASAYAH「電卓を先に出す人のほうが、結果的に長く続いてます」




ウタ子「それ、ちょっと寂しいですけど納得します」




MASAYAH「夢と電卓は、仲が悪いようで実はセットなんです」




現実的な始め方の順番


結論:「現職を続けたまま、小さく試す → 理論を学び直す → 身近な人に有料で教えてみる → 地域で広げる」。この順番なら、生活を壊さずに進めます。


やること

  • ① 現職は辞めない:ここは強く言います。辞めてから学ぶのではなく、学びながら小さく始める。収入がある状態で試すからこそ、価格や方針をじっくり決められます

  • ② 発声の理屈を言葉にできるところまで学び直す:自分が歌えることと、なぜそうなるかを説明できることは別物です。ここが講師としての商品になります

  • ③ 知人に、無料〜2,000〜3,000円で教えてみる:いきなり正規料金を取らなくていいです。目的は稼ぐことではなく、教える場数と、自分を客観的に見る材料を得ること。数回やるだけで、自分の説明のクセが見えます

  • ④ 大手スクールの業務委託で3〜6ヶ月働くのも有力:運営のノウハウが丸ごと見られます。集客・料金・生徒対応をどう回しているかを、お金をもらいながら学べる場所は他にありません

  • ⑤ 最初はオンライン一本に賭けない:オンラインは商圏が広がる反面、競合が全国区になります。無名のうちに全国と戦うのは分が悪い。まずは通える範囲の地域性を活かすほうが現実的です


副業として無理なく始める具体的な組み立ては、こちらに詳しく書いています。



資格を取るところからの流れは、こちらが入口になります。



声や体力の変化との付き合い方


結論:加齢による声の変化は、指導者としての不利にはなりません。むしろ同世代の生徒の悩みを、実感として理解できる材料になります。


40代・50代になると、高音が出づらくなった、声が細くなった、という実感を持つ方は少なくありません。これを「講師失格の証拠」だと思ってしまう方がいるのですが、逆です。


教える力と、自分が歌える力は別物です。生徒さんが求めているのは、あなたの歌の完成度ではなく、自分の声が変わる道筋を示してもらうことです。そして「私も同じところで困りました」と言える講師のほうが、圧倒的に信頼されます。


体力面も、心配されるほどの問題にはなりません。レッスンは激しい運動ではないですし、そもそも1日に詰め込む本数は自分で決められます。むしろこの年代の敵は体力ではなく、時間の細切れ具合です。仕事と家庭の隙間で学ぶことになるので、学ぶ環境がオンラインで完結するかどうかは、真剣に見たほうがいいです。


なぜ「教える側」を学ぶと自分の歌まで変わるのかは、こちらにまとめてあります。



🤔 よくある誤解Q&A


Q. 40代・50代からでは体力的に厳しい?


A. レッスンは激しい運動ではないため、体力が壁になることはほとんどありません。壁になりやすいのは体力より学習時間の細切れです。


Q. 若い生徒に受け入れてもらえない?


A. 世代よりも、丁寧に向き合ってくれる講師かどうかが見られます。年齢そのものが敬遠される理由にはなりにくいです。


Q. 声が若い頃より衰えていると教えられない?


A. 教える力と自分の歌唱力は別物です。声の変化を自分で経験していることは、むしろ指導の説得力になります。


Q. 音楽経験がないと無理?


A. 音楽以外の職歴のほうが差別化に効くことがあります。前職の分野に振り切った教室は、大手と正面衝突しません。


Q. まず仕事を辞めて集中したほうが早い?


A. 勧めません。収入がある状態で小さく試すほうが、価格も方針も落ち着いて決められます。


❓ よくある質問(FAQ)


Q1. 40代・50代からボイストレーナーを目指すのは現実的ですか?


A. 現実的です。人生経験と職歴がそのまま差別化の材料になるため、年齢は不利な要素になりません。ただし収入や期限の設計は若い世代より慎重に行う必要があります。


Q2. 始める前に決めておくべきことは何ですか?


A. 収入がどこまで下がっても耐えられるかの試算、いつまでにどうなるかの期限、そして別業種への転職を挟まないという方針の3つです。


Q3. 本業を続けながらでも大丈夫ですか?


A. 大丈夫です。むしろ現職を続けたまま小さく始めることを勧めています。収入がある状態のほうが、料金設定や方針を落ち着いて決められます。


Q4. 最初の生徒はどうやって見つけますか?


A. 知人や友人に無料〜2,000〜3,000円程度で教えるモニターから始めるのが現実的です。目的は収入ではなく、教える場数と自分の課題を知ることです。


Q5. オンラインレッスンから始めるのはどうですか?


A. 商圏が全国に広がる反面、競合も全国区になります。実績がないうちは、通える範囲の地域性を活かすほうが選ばれやすくなります。


Q6. 音楽以外の職歴は役に立ちますか?


A. 役に立ちます。前職の分野に特化した教室は、発声だけを掲げる教室と競合しません。職歴は40代・50代だけが持てる資産です。


✏️ まとめ:年齢は始めない理由になりませんが、順番は変わります


40代・50代からボイストレーナーになるのは遅くありません。同世代の生徒に安心感を与えられること、自分自身が「今からでも変われる」証拠になること、そしてこれまでの職歴が若い講師には作れない尖りになること。この3つは、この年代だけの強みです。


ただ、若い人と同じ始め方はしないでください。先に電卓を出す。期限を切る。今の仕事は辞めない。この順番を守れば、年齢は障害どころか材料になります。


「この歳で」と思った時点で、あなたはもう選択肢を検討し始めています。あとは順番だけです。




ウタ子「思ってたより厳しい記事でしたけど、なんか勇気は出ました」




MASAYAH「優しいだけの記事を読んで踏み出すと、あとがしんどいので」




全体像から確認したい方は、まずこちらから読んでみてください。



これまで15年・約3,000人を教えてきたMASAYAHのラニーボーカルスクール東京が認定する、ラニーシンガーズアカデミー(LSA)では、発声理論から指導の言語化までをオンラインで学べます。年齢・今の仕事・使える時間を全部そのまま持ち込んで、あなたに合った順番を無料の個別相談で一緒に組み立てられます。



今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。

歌で世界を一つに MASAYAH(手書き署名)

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著者:MASAYAH


明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。

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