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ボイストレーナー資格の勉強時間|忙しい社会人ほどメニューを固定しないほうがいい

2025年8月1日
読了時間: 11分

更新日:9月8日

タブレット端末で色分けされたスケジュール表を確認する手元

結論:勉強時間が取れないという悩みの正体は、たいてい時間の長さではなく、一回にやろうとしていることの多さです。しかも声は体調や睡眠で毎日変わるので、同じメニューを毎日こなす計画は、そもそも守れない設計になっています。


この記事でわかること

  • 「時間がない」の中身が、実は「詰め込みすぎ」であること

  • 声が毎日変わるのに、練習メニューを固定してはいけない理由

  • 短い時間でも成立する練習の中身の決め方

  • 座学と発声を同じ時間に入れないほうがいい理由

  • 続かない日を先に想定しておく方法




ウタ子「毎日30分やろうと決めたんですけど、3日でつぶれました」




MASAYAH「30分で何をやる予定でした?」




ウタ子「呼吸と、ロングトーンと、音源見て、あと歌う練習と、教える練習も…」




MASAYAH「それは30分じゃなくて3時間のメニューですね」




ウタ子「あ」




MASAYAH「時間が足りないんじゃなくて、入る量を間違えてるだけです。ここが直ると急に続きます」




「時間がない」の正体は、一回に詰め込みすぎていること


結論:忙しい人ほど「せっかく確保した30分だから」と欲張ります。その結果どれも中途半端になり、手応えがないまま終わって、翌日やる理由がなくなります。


相談を受けていて本当に多いのがこれです。忙しくて時間が取れないと言いながら、いざ確保した時間に詰め込むメニューが多すぎる。呼吸も、発声も、曲の練習も、指導の勉強も全部やろうとする。全部やると、どれも5分ずつになります。5分では何も変わりません。


僕自身、レッスンで1時間かけても歌詞3行しか進まないことがあります。パズルのピースを一つずつ置くみたいに、一言ずつこだわるからです。それで生徒さんの声は実際に変わります。つまり、中身が絞れていれば時間は短くていいんですよ。逆に、絞れていないと何時間あっても足りません。


だから最初に決めるのは「何分やるか」ではなく「今日は何を1つやるか」です。順番が逆になっている人が本当に多いです。


声は毎日変わる笛。だから毎日同じメニューは無理があります


結論:声の状態は、体調・睡眠・食事で毎日変わります。固定メニューを機械的にこなす計画は、変わる前提が入っていないので、うまくいかない日に「今日はダメだった」で終わってしまいます。


僕はレッスンでよく「声は毎日変わる笛です」という言い方をします。同じ楽器なのに、昨日と今日で鳴り方が違う。寝不足の日、乾燥している日、前日にたくさん喋った日で、出方はまるで別物です。


ここが分かっていないと何が起きるかというと、うまく鳴らない日に「自分は下手になった」と受け取ってしまうんです。実際には下手になっていなくて、今日の笛の状態が違うだけなんですけど、固定メニューをこなす発想でいると、できなかった事実だけが残ります。それが数日続くと、静かにやめます。


やることは難しくありません。

  • 練習の最初に、今日の声の状態をひとこと確認する(かすれる/重い/出だしが遅い、など)

  • 状態に合わせて、その日のメニューを入れ替える

  • 「今日はここまで」と決めて、無理に予定を消化しない


「今日の声に合わせて慣らし方を探る」という発想に切り替えると、悪い日が挫折の理由ではなくなります。悪い日は悪い日で、やることがあるからです。




ウタ子「調子が悪い日はサボっていいってことですか?」




MASAYAH「サボるんじゃなくて、メニューを変えるんです。声が重い日に高いところをやっても、ただ疲れて終わるので」




スマートフォンを両手で持って画面を操作する人の手元

短い時間ならこの3つで足ります


結論:時間が限られているときに効くのは、呼吸・ロングトーン・発声ポジションの確認の3つです。指導の現場で実際に毎日の課題にしているのも、この並びです。


受講生に毎日の課題としてお渡しするメニューは、驚くほどシンプルです。

  • 呼吸のトレーニング:動画に合わせて5分半。これは声を出さないので、時間帯も場所も選びません

  • ロングトーン:まっすぐ伸ばして、揺れる場所と苦しくなる場所を確認する

  • 「ラララ」でポジション確認:喉の奥のどこで鳴っているかを毎回同じ言葉でチェックする


これだけです。派手さはまったくないですし、やっている最中に「うまくなった」という感触もほぼありません。それでも、この3つは声の土台が動くので、後から効いてきます。


呼吸を発声よりも先に置いているのには理由があります。発声の前段階だからというのもありますが、それ以上に、呼吸は日常生活の中に持ち込めるからです。歩いているとき、椅子に座ったとき、寝る前。声を出さなくてよい練習は、忙しい人の味方です。


そして、ここから先に進みたくなったら、そのときに本格的なトレーニングを足せばいい。最初から全部やろうとしないほうが、結果的に早いです。学ぶ順番と期間の全体像は、こちらの記事に整理してあります。


座学と発声は、同じ時間に入れない


結論:理論を読む時間と、声を出す時間は性質がまったく違います。同じ30分に混ぜると、どちらも中途半端になります。分けたほうが両方進みます。


これは忙しい社会人ほど効きます。声を出す練習は、場所と時間帯を選びます。夜遅くには難しいし、家族がいれば気を使います。一方で、理論を読む・動画を見る・指導の言い回しを考えるといった作業は、声を出さないので、電車の中でも昼休みでもできます。


つまり、声が出せない時間に座学を、声が出せる時間に発声を割り振ればいい。ここを分けずに「30分の中に全部」とやろうとするから、声が出せない日はまるごと何もできない日になってしまいます。

  • 通勤・昼休み・寝る前:理論のインプット、レッスンの組み立てを考える、録音を聴き返す

  • 声が出せる時間帯:呼吸・ロングトーン・ポジション確認・曲の練習


分けておくと、「今日は声が出せなかったから何もしていない」という日がほぼ無くなります。これは自己肯定感の話ではなく、単純に進む量の話です。


僕がニューヨークでやっていた時間の使い方


結論:レッスンの回数より、レッスンとレッスンの間に何をやっているかで差がつきます。僕の場合、間を埋めていたのは長時間の練習ではなく、短く録って聴き込む作業でした。


ニューヨークにいた頃、個人のボイストレーニングを受けていたのは週に1〜3回です。あとは現地の学校の授業と、人との交流。では残りの時間で何をしていたかというと、家で歌いたい曲を研究して、ワンフレーズだけ録って、それを聴き込むということをずっとやっていました。


まとまった練習時間を確保していたわけではありません。むしろ細切れです。それでも進んだのは、一回ごとに見るポイントが1つに決まっていたからだと思います。今日はこの一言の入り方だけ、明日はこの語尾だけ。そういう進み方です。


聴き返す作業は声を出さなくてよいので、忙しい人と相性がいいです。録り方のコツは別記事にまとめてあります。


続かない日を、先に決めておく


結論:忙しい人の予定は必ず崩れます。崩れること自体を計画に入れておくと、崩れた日が「終わり」になりません。


残業、飲み会、体調不良。予定どおりにいかない日は必ず来ます。ここで多いのが、1日飛ばしたことで「もういいや」となるパターンです。もったいないのは、飛ばした事実ではなく、飛ばした後に戻る道を用意していなかったことのほうです。


だから最初に、崩れた日用のメニューを決めておいてください。

  • 声が出せない日:呼吸だけ。5分半で終わります

  • 時間が本当にない日:前に録った自分の音源を1つだけ聴き返す

  • 何もできなかった日:翌日に持ち越さない。倍やろうとすると、そこでまた崩れます


「やらない日があってもいい」ではなく、「やらない日にもやることが決まっている」状態にするのがコツです。仕組みそのものの作り方は、こちらの記事が詳しいです。


つまずきポイント:伸びている実感がないから止まる


結論:続かない一番の理由は時間ではなく、変化が見えないことです。これは根性で解決しません。見える形を先に用意しておくしかありません。


正直に書きます。僕自身、ボイトレを始めた頃はまったく手応えがありませんでした。地味な練習の連続で、成長した感じがどこにもない。もともと三日坊主の性格なので、あれは本当に苦痛でした。首をかしげながら、それでも1年半続けていた記憶があります。


今なら分かるのですが、あのとき足りなかったのは根気ではなく、変化を確認する手段でした。毎日やっていることの結果が見えないまま続けるのは、誰でもつらいです。

  • 週に一度、同じフレーズを同じ条件で録る(比べられる形にしておく)

  • 直す場所は一度に1つだけにする(複数直すと、何が効いたのか分からなくなります)

  • できるようになったときの感覚を、その日のうちに言葉にして残す


特に3つ目は効きます。声の感覚は、書いておかないと消えます。「喉を開けた」ではなく「あくびの一歩手前で止めた感じ」のように、自分にだけ通じる言い方で構いません。




ウタ子「毎日ちゃんとやってる感じが欲しいんですけど」




MASAYAH「その感じは、量じゃなくて記録から来ます。やった気じゃなくて、変わった証拠のほうを集めてください」




🤔 よくある誤解Q&A


Q. 毎日決まった時間にやらないと習慣になりませんか?


A. 時間帯を固定するのは有効ですが、中身まで固定する必要はありません。声の状態は日によって違うので、やることは入れ替えてください。


Q. 短い練習では意味がないのではありませんか?


A. 短いこと自体は問題になりません。問題になるのは、短い時間に複数のことを詰め込んで、どれも中途半端になることです。


Q. 声が出せない日は何もできませんか?


A. できます。呼吸のトレーニング、録音の聴き返し、理論のインプットはすべて声を出さずにできます。


Q. まとまった時間が取れないと資格取得は難しいですか?


A. そうとは限りません。細切れでも、一回ごとにやることが1つに決まっていれば進みます。期間の目安は別記事にまとめています。


❓ よくある質問(FAQ)


Q1. 平日はどれくらいの時間が必要ですか?


A. 30分あれば十分に組み立てられます。ただし30分に3つも4つも入れないでください。呼吸だけの日、ロングトーンだけの日があっても問題ありません。


Q2. 声を出せる環境がありません。それでも続けられますか?


A. 続けられます。呼吸のトレーニングと録音の聴き返し、理論のインプットは声を出さずにできるので、声を出せる時間だけ発声に充てる形にしてください。


Q3. 練習メニューは誰が決めるのがいいですか?


A. 最初は決めてもらったほうが早いです。自分で組むと、たいてい欲張って詰め込みすぎます。慣れてきたら、その日の声の状態に合わせて自分で入れ替えられるようになります。


Q4. 一日サボってしまったら、翌日に倍やるべきですか?


A. おすすめしません。倍にすると次の日がさらにつらくなり、崩れやすくなります。持ち越さずに、いつもどおりの一回に戻してください。


Q5. 忙しい社会人でも資格の取得は現実的ですか?


A. 現実的です。ラニーシンガーズアカデミー(LSA)は未経験から最短90日を目指せる設計で、進め方は生活リズムに合わせて調整できます。詳しい期間の考え方は関連記事をご覧ください。


✏️ まとめ:決めるのは「何分やるか」ではなく「今日は何を1つやるか」


勉強時間が足りないと感じているとき、本当に足りていないのは時間ではなく、絞り込みであることがほとんどです。一回に1つ。これだけで、同じ30分の中身がまったく変わります。


そして声は毎日変わります。同じメニューを毎日こなす計画は守れません。今日の声に合わせて入れ替える前提にしておくと、調子の悪い日が挫折の理由ではなくなります。


崩れる日は必ず来ます。崩れた日にやることまで先に決めておけば、戻ってこられます。




ウタ子「今日から1つに絞ります。呼吸だけにします」




MASAYAH「それが一番地味で、一番効きます」




ウタ子「地味なの、続くか心配なんですけど」




MASAYAH「僕も1年半、地味なやつを首をかしげながらやってました。あれがなかったら今ないです」




青空に向かって両手を上げる女性の後ろ姿

自分の生活リズムに合った進め方を一緒に決めたい方は、ラニーシンガーズアカデミー(LSA)の無料相談でお話を聞かせてください。これまで15年・約3,000人を指導してきた内容を、発声・歌唱力・指導力の順に整理した講座です。



今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。


歌で世界を一つに MASAYAH(手書き署名)

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ボイストレーナー認定資格発行者

著者:MASAYAH


明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。

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