ボイトレレッスン単価の決め方|相場・値上げタイミング・価格戦略ガイド
更新日:10月3日

結論:レッスンの単価は相場表から選ぶものではなく、スタジオ代を引いてもマイナスにならない線から始めて、予約が埋まったら上げていくものです。
この記事でわかること
相場を調べても自分の値段が決まらない理由
最初の1回にいくらつけるかの決め方
値上げに踏み切っていいサインの見分け方
月の売上から逆算して単価を置き直す方法
安く始めることが損にならない条件
ウタ子「レッスンの値段って、どうやって決めるんですか。調べるたびに違う金額が出てきて、で、結局いくらなの?ってなるんですけど😑」
MASAYAH「いい質問ですね。答えは簡単で、相場は関係ありません」
ウタ子「はぁ?いきなり全部否定してきましたけど」
MASAYAH「だって相場って、他人の実績の値段じゃないですか。あなたの値段ではないので」
ウタ子「…今のはちょっと効いた。じゃあ何を見て決めるんですか」
MASAYAH「今日はそこ、数字ごと特別に公開しちゃいましょう🎓」
相場を調べても自分の値段が決まらない理由
結論:相場の金額は「その人の実績に対して払われている金額」であり、自分の値段を決める材料にはなりません。
ネットで単価の相場を調べると、たしかに数字は出てきます。ただ、あの数字を見て自分の値段が決まった人を、僕は正直ひとりも見たことがありません。当たり前なんですよ。相場というのは、誰かがすでに積み上げた実績に対して生徒さんが払っている金額であって、これから始める人の値段ではないからです。
しかも厄介なことに、相場を見れば見るほど値段がつけられなくなります。「自分がこの金額をもらうなんておこがましい」という気持ちと、「安すぎると下に見られるのでは」という気持ちが同時に来るからです。この板挟みは、僕も通りました。いや、ほんとうに通りました。
だから順番を変えます。いくらもらえるかではなく、いくらなら赤字にならないか。ここから決めると、値段は一瞬で決まります。
最初の値段は「スタジオ代を引いてマイナスにならない線」から
結論:開業直後の単価は、場所代を引いて手元に残る金額がマイナスにならないことだけを条件にして決めます。
開業相談でいちばん最初に確認するのが、どこで教えるかです。カラオケでも物理的にはレッスンできますが、僕は貸しスタジオを勧めています。理由は2つあって、ひとつは楽器が使えること、もうひとつは「ここから先は習う時間です」という空気が自然に生まれることです。この空気づくりは、思っているよりレッスンの質に効きます。
そして場所が決まると、1回あたりのコストが決まります。あとはそこに自分の取り分を乗せるだけです。知人やバンド仲間をモニターとして教える段階なら、無料から3,000円くらいまでの帯で始めてもらうことが多いです。実際に開業コースでお伝えしているのは、2,000円から3,000円の範囲でスタートして、経験を積みながら上げていく進め方です。
ここで大事なのは、安くすること自体が目的ではないという点です。目的は、人に教えた回数を早く増やすこと。値段は、その回数を集めるための入場料くらいに思っておくとちょうどいいです。
ウタ子「2,000円って、安くないですか。時間かけてるのに」
MASAYAH「安いですよ。でも僕、2,800円でしたけどね」
MASAYAH「しかもスタジオ代1,300円を自分で払って、です」
ウタ子「…差し引き1,500円じゃないですか。それ、割に合ってます?」
MASAYAH「合ってませんでした。でも、あれがなかったら今が無いので」

僕が1レッスン2,800円から始めた話
結論:安い値段でスタートしても、人数が増えれば値段は後から必ず上げられます。
ラニーボーカルスクール東京を始めたとき、生徒はゼロでした。自分の教室どころか、固定の部屋すら持っていません。だから貸しスタジオを予約しては、その時間に生徒さんと待ち合わせて、終わったら次のスタジオへ移動していました。今思えば、ウーバーイーツの配達員のように都内を飛び回っていたことになります。
そのときの値段が、1レッスン2,800円です。スタジオ代が1,300円なので、手元に残るのは1,500円。移動時間を入れたら時給にもなっていません。それでもこの値段にしたのは、まず来てもらわないと何も始まらないと思ったからです。
結果として、人は来ました。来てくれた人が「またお願いします」と言ってくれて、その人が誰かを連れてきてくれて、予約が埋まりはじめて、そこで初めて値段を上げました。そしてまた埋まって、また上げる。これを繰り返して今に至ります。15年かけて、約3,000人を教えてきました。最初の2,800円がなければ、その出会いはひとつも生まれていません。
だから、これから始める人が安い値段をつけることを、僕はまったく否定しません。むしろ「最初から高くつけて、誰も来ないまま自信をなくす」ほうが、ずっと危ないと思っています。
値上げに踏み切っていいサインの見分け方
結論:値上げの判断材料は気持ちではなく、予約の埋まり方という観察できる事実です。
値上げの相談を受けるとき、ほぼ全員が同じことを言います。「生徒さんが離れてしまうかもしれない」。気持ちはものすごく分かります。ただ、この不安は何回考えても答えが出ません。材料が気持ちしかないからです。
見るべきなのは自分のカレンダーです。希望の時間に入れられない人が出てきた、新しい問い合わせを断っている、というのは、その値段に対して需要が上回っているという事実そのものです。ここまで来たら、上げていい段階に入っています。
逆に、まだ枠がすかすかなのに値段だけ上げると、埋まらない時間がもっと増えます。このときやるべきなのは値上げではなく集客なので、話がまるごと変わります。生徒さんを増やす順番は、こちらで詳しくまとめています。
上げ幅は、一気に倍にする必要はありません。実際に案内しているのは、2,000円から始めて2,500円、3,000円と刻んでいく上げ方です。刻むと、既存の生徒さんにとっても「急に変わった」感じが出にくくなります。
ウタ子「既存の生徒さんには、なんて言えばいいんですか。言いにくいんですけど」
MASAYAH「正直に言えばいいんですよ。枠が埋まってきたので、来月から改定しますって」
ウタ子「それだけ?もっとこう、申し訳なさそうにしなくていいんですか」
MASAYAH「申し訳なさそうにすると、相手は『悪いことをされている』と受け取りますよ。堂々と言ったほうが、むしろ失礼じゃないです」
ウタ子「あー…それは分かる」
MASAYAH「でしょう。値段の話でこそ、背筋は伸ばしておいてください」

月の売上から逆算して単価を置き直す
結論:月にいくら必要かを先に決めると、単価と生徒数の組み合わせは自動的に絞られます。
ある程度回りはじめたら、1回いくらではなく、月いくらで考え直します。開業コースでお伝えしている型はシンプルで、月謝10,000円(1回5,000円×月2回)の生徒さんを10人持つ、というものです。この形だと、スタジオ代を差し引いた手残りはおよそ60,000円、必要な稼働は週に4〜5時間ほどになります。
この数字を見て「思ったより少ない」と感じたなら、それは健全な反応です。ここが副業として成り立つラインであって、ここから先は人数を増やすのか、単価を上げるのか、回数を増やすのかという別の設計の話になります。副業として組み立てる場合の現実的な進め方と、収入そのものの話は、それぞれ別の記事に分けてあります。
開業そのものの手順(届出・場所・集客の順番)は、ハブ記事にまとめてあります。
安く始めることが損にならない条件
結論:安い値段が損になるのは、安いまま値段を見直す基準を持っていない場合だけです。
安く始めること自体は、何も悪いことではありません。問題になるのは、安いままで何年も止まってしまうことです。そしてこれが起きる原因は、だいたい「いつ上げるか」を決めていないことにあります。
だから最初に単価を決めるときに、もう一行だけ決めておいてください。どうなったら上げるか、です。僕の場合はそれが「予約が埋まったら」でした。基準さえ持っていれば、安さは通過点になります。基準がないと、安さは住所になります。
🤔 よくある誤解Q&A
Q. 単価は相場に合わせて決めるべき?
A. いいえ。相場はすでに実績のある人に払われている金額です。これから始める段階では、場所代を引いてマイナスにならない線から決めるほうが現実的です。
Q. 安い値段でスタートすると、あとで上げられなくなる?
A. いいえ。上げる基準(予約が埋まる、問い合わせを断っている)を先に決めておけば、安さは通過点になります。
Q. 値上げすると生徒は必ず減る?
A. 必ずではありません。枠が埋まっている状態での改定は、需要が供給を上回っているという事実に合わせた調整です。
Q. オンラインは対面より安くしないといけない?
A. そう決まってはいません。移動時間がなくなるぶん、受ける側の負担はむしろ下がる場合もあります。価格は提供形態ではなく、提供する中身で考えます。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. ボイトレレッスンの単価はどうやって決めればいいですか?
A. 場所代を引いて手元に残る金額がマイナスにならない線から決めます。モニター期間は2,000円から3,000円の帯で始め、経験を積みながら上げていく進め方を案内しています。
Q2. 最初はいくらくらいから始めるのが現実的ですか?
A. 無料から3,000円程度が目安です。参考までに、私自身がラニーボーカルスクール東京を始めたときの単価は1レッスン2,800円で、貸しスタジオ代1,300円は自己負担でした。
Q3. 値上げのタイミングはどう判断しますか?
A. 希望の時間に入れられない人が出てきたときや、新規の問い合わせを断っているときです。気持ちではなく、予約の埋まり方という事実で判断します。
Q4. 値上げはどのくらいの幅で行いますか?
A. 一度に大きく上げるのではなく、2,000円から2,500円、3,000円というように刻んで上げる方法を案内しています。
Q5. 月にどのくらいの売上を目標にすればいいですか?
A. ひとつの型として、月謝10,000円(1回5,000円×月2回)の生徒さんを10人持つと、スタジオ代を差し引いた手残りがおよそ60,000円、稼働は週4〜5時間ほどになります。
✏️ まとめ:値段は「調べて決める」ものではなく「埋まったら上げる」もの
レッスンの単価が決まらないのは、調べ方が足りないからではありません。相場表の中に自分がいないからです。場所代を引いてマイナスにならない線から始めて、予約が埋まったら上げる。この順番なら、今日のうちに値段が決まります。
安い値段から始めることを、どうか恥ずかしがらないでください。僕の最初の値段は2,800円で、手元に残ったのは1,500円でした。そこから始めて、今があります。
ウタ子「結局、最初に必要なのは勇気じゃなくて基準なんですね」
MASAYAH「そうです。勇気は、基準がある人のところに後から来ます🔥」
ウタ子「はいはーい、かっこいいこと言いましたー😂」
MASAYAH「今のは本気で言ったんですけどね」
ウタ子「…今日は素直に受け取っておきます😳」
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今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。

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著者:MASAYAH
明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。


