30代からのボイトレは遅い?大人が最短で伸びる3つの理由
更新日:5 日前

結論:30代から始めるのは遅くありません。ただし、若い人と同じやり方をすると遅く感じます。大人には大人の伸び方があって、それは僕自身がニューヨークで切り替えたやり方とまったく同じものです。
この記事でわかること
「もう遅い」と感じてしまう本当の理由
僕がニューヨークで練習のやり方を変えた話
大人が最短で伸びる3つの理由
大人だからこそハマりやすい落とし穴
今日やる一歩
ウタ子「30代から始めるのって、やっぱり遅いんですか😕」
MASAYAH「いや、全然。むしろ僕、大人のほうが好きですけどね🔥」
ウタ子「出た、適当なこと言うやつ」
MASAYAH「適当じゃないです。子どもには子どもの伸び方、大人には大人の伸び方があるだけですよ」
ウタ子「じゃあなんで、みんな『もう遅い』って言うんですか」
MASAYAH「比べる相手を間違えてるからです」
「もう遅い」と感じるのは、子どもの伸び方と比べているからです
結論:子どもと大人では、伸びるときの主戦場が違います。同じ物差しで測ると、大人は必ず遅く見えます。
僕は講師向けのフォローで、年代ごとに何をやると歌が伸びるかという話をよくします。ざっくり言うとこうです。
①0歳から6歳ごろ:思いきり声を出していい環境があるかどうか
②6歳から12歳ごろ:合唱のように、人と声を合わせる時間が生活の中にあるかどうか
③12歳から18歳ごろ:バンドや録音で、人からの反応を受け取りながら自分で直していくサイクル
④18歳から先:場数と、生活習慣の管理
見ていただくと分かりますが、18歳を超えたあとの主戦場は「自分で回す」ことに移ります。声の素地をつくる時期はとっくに終わっていて、そこから先は全員が同じ土俵なんです。
だから30代の方が20代の自分と比べて「出遅れた」と感じるのは、ちょっと計算が合いません。比べるなら、同じように大人になってから始めた人と比べてください。
ウタ子「じゃあ18歳も35歳も、スタート位置は同じってこと?」
MASAYAH「ほぼ同じです。違うのは、使える道具の数ですね」
ウタ子「道具?」
MASAYAH「仕事で培ったやつ、全部使えますよ😏」
ウタ子「歌と仕事、関係なくないですか」
MASAYAH「それが、めちゃくちゃあるんですよ。次でその話をします」
僕がニューヨークで、練習のやり方を変えた話
結論:先生に言われたとおり発声練習をして、そのあと1曲通して歌う。このやり方をやめた日から、ようやく伸び始めました。
ここは真面目に書きます。
ニューヨークにいた頃、僕はレッスンに通っていながら、長いこと伸びている実感がありませんでした。練習はしていたんです。先生の指示どおりに発声練習をして、そのあと歌いたい曲を1曲通して歌う。毎日それを繰り返していました。
ある時、これが全部つながっていないことに気づきました。発声練習は発声練習として終わり、曲は曲として歌っているだけ。何のためにその練習をしているのかを、自分が説明できなかったんです。
そこでやり方を変えました。発声練習に入る前に「これは何のためにやるのか」「どこに注意するのか」を自分の中ではっきりさせる。そして曲は通して歌わず、ワンフレーズだけ歌っては録音して聴き直す。この二つだけです。
そこから、ようやく分かるようになりました。歌が急に上手くなったという話ではなくて、自分が今何をやっているかが分かるようになった、という感覚です。そして、それが分かり始めてから声が変わっていきました。
これは才能の話でも年齢の話でもありません。やり方の話です。そして、このやり方は大人のほうが圧倒的に得意です。
大人が最短で伸びる3つの理由
結論:①理由を聞いて納得できる②自分の録音を聴き返せる③持ち帰る課題を一つに絞れる。この3つは全部、大人になってから身についたものです。
①理由を聞いて納得できる:さっきのニューヨークの話がそのままこれです。「なぜこの練習をするのか」を理解してから取り組めるかどうかで、同じ10分の価値がまるで変わります。子どもは理由を聞かずに真似できるという強さがありますが、大人は理由が分かると途端に飲み込みが早くなります。
②自分の録音を聴き返せる:自分の声は、歌っている最中は客観的に聞こえません。これは誰でもそうです。だから録って聴き直すしかないのですが、これが地味にしんどい作業で、続けられる人はそんなに多くありません。仕事で自分の資料を読み返したり、録画を見返したりしたことがある人は、この作業への耐性が既にあります。
③持ち帰る課題を一つに絞れる:僕はレッスンで、その場で全部できるようにしようとは思っていません。課題を一つ渡して、次までにやってきてもらって、次に確認する。この往復で積み上がります。この「一つだけ持ち帰って家でやる」が、大人は普通にできるんです。
ちなみに僕のレッスンは、1時間かけても歌詞3行しか進まないことがよくあります。パズルのピースを一つずつはめていくような作業で、派手さはまったくありません。でも、そのやり方に付き合えるのが大人の強みです。
大人だからこそハマりやすい落とし穴
結論:理解が先に進んで、体が追いつかない時期が必ず来ます。これは失敗ではなく、大人の伸び方の途中経過です。
理解力があるぶん、「頭では分かっているのにできない」という状態に入りやすいのも大人です。ここで「やっぱり遅かったんだ」と結論を出してしまう方が、本当に多い。
でも、これは順番の問題です。理解が先に来て、体があとから追いつく。子どもは逆で、体が先に動いて理解はあとから来る。どちらも最終的には同じところに着きます。
高い声を出そうとして喉が締まる、という形で出ることが多いので、そのときはこちらを見てみてください。
裏声が息っぽくなる場合も、原因は年齢ではなく使い方です。
今日やる一歩
結論:今日、歌のワンフレーズだけ録って、聴き返してみてください。そこで何か言えたら、もう始まっています。
一曲まるごとじゃなくて大丈夫です。サビの最初の4小節でも、好きな1行でもいい。録って、聴いて、「ここが気持ちいい」「ここが詰まってる」と自分の言葉で何か言えるかを見てください。
何か言えたなら、あとは理由を一つずつ潰していくだけです。何も言えなかったとしても、それが分かったのが今日の収穫です。
大人になってから始める場合の全体像は、こちらにまとめてあります。
ひとりでやるか、誰かに見てもらうかで迷ったら、こちらが参考になります。
🤔 よくある誤解Q&A
Q. ボイトレは若いうちに始めないと意味がない?
A. 声の素地をつくる時期は確かに子ども時代ですが、18歳を超えてからの伸びは場数と自己管理で決まります。そこは30代でも同じ土俵です。
Q. 大人は感覚が固まっていて変われない?
A. 固まっているのは感覚ではなく癖です。癖は、なぜそうなっているかが分かると外れていきます。理由から入れる大人は、むしろここが得意です。
Q. 理解力があれば練習しなくても伸びる?
A. 伸びません。理解はやり方を決めるためのもので、実際に変わるのは繰り返した回数です。
Q. 「頭では分かるのにできない」のは才能がないから?
A. 違います。大人はほぼ全員この時期を通ります。理解が先、体があとという順番になっているだけです。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 30代からボイトレを始めるのは遅いですか?
A. 遅くありません。18歳を超えてからの伸びは場数と自己管理で決まるので、30代でもスタート位置はほとんど変わりません。
Q2. 大人と子どもで上達の仕方は違いますか?
A. 違います。子どもは体が先に動いて理解があとから来ますが、大人は理解が先に来て体があとから追いつきます。着く場所は同じです。
Q3. 大人が最短で伸びるコツはありますか?
A. 練習の理由を自分で言えるようにすること、ワンフレーズ録って聴き返すこと、持ち帰る課題を一つに絞ることの3つです。
Q4. 「頭では分かるのにできない」時期はどうすればいいですか?
A. そこでやめないことです。理解が先行している状態なので、同じ一つの課題を繰り返すと体があとから追いついてきます。
Q5. 何から始めればいいですか?
A. 今日の歌をワンフレーズだけ録って聴き返し、気になるところを自分の言葉で言ってみてください。それが最初の一歩になります。
✏️ まとめ:遅いのではなく、やり方が子ども向けのままなだけです
30代から始めるのは遅くありません。遅く感じるとしたら、子どもの伸び方と自分を比べているか、子ども向けのやり方のまま練習しているかのどちらかです。
僕自身、ニューヨークで長いこと伸び悩んでいました。抜けたきっかけは才能でも若さでもなく、「何のためにこの練習をしているか」を自分で言えるようにしたことと、ワンフレーズ録って聴き返すようにしたことの二つだけでした。
どちらも、今日からできます。そして、どちらも大人のほうが得意です。
ウタ子「録ったはいいけど、自分の声って聴くの無理なんですけど😑」
MASAYAH「無理ですよね。全員無理です」
ウタ子「あなたもですか」
MASAYAH「今でもちょっと身構えますよ。でも3回目くらいで慣れます」
ウタ子「…今日は普通にいいこと言いましたね😳」
MASAYAH「たまにはね」
聴き返してみて何が起きているか分からなかったら、一度だけプロの耳を借りてみるのも手です。
今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。

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著者:MASAYAH
明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。


