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高音で声が細くなる原因と対策|細くなるのは正しい、問題は前に押していること

8月3日
読了時間: 9分

更新日:9月8日

赤いドレスの女性が力強くマイクに向かって高音を歌う写真

結論:高音で声が細くなること自体は、失敗ではありません。ギターの弦と同じで、高い音ほど細くなるのが自然だからです。やせて聞こえるかどうかを分けているのは細さではなく、声を前に押しているか、後ろに引けているかです。


この記事でわかること

  • 高音が細くなるのは正常だと言える理由

  • それでも「やせた声」に聞こえてしまう本当の原因

  • 前に押さずに後ろへ引くための練習

  • 単発では出せるのに歌の中だと苦しくなる人の共通点

  • 自分の高音が、実はもう出ていることの確かめ方




ウタ子「高い声になると、声がペラペラに細くなっちゃうんです」




MASAYAH「細くなるのは正しいですよ」




ウタ子「え、直さなくていいんですか?」




MASAYAH「細くするのは合ってます。問題はたぶん、細くしながら前に押してることです」




ウタ子「押す…?」




MASAYAH「その二つが混ざると、細いだけで響かない声になります。今日はそこを分けます」




高音が細くなるのは、間違いではありません


結論:高い音ほど声を細くする必要があります。ギターの弦を思い出してください。高い音を出す弦ほど細いです。声も同じで、高音域で太いままにしようとするほど無理が出ます。


レッスンで「高音が細くなる」と相談されたとき、僕はまず「それは合ってます」と答えます。音域が上がるほど、口の中の空間は狭く、声は細くなっていくのが自然だからです。低音は喉の奥を広く使って響かせ、中低音は「オ」や「ア」で奥を鳴らし、高音は細く。音域ごとに使い方が違うだけの話です。


なのに多くの人が「細い=ダメ」と思い込んで、高音でも太い声を出そうとします。太さを足そうとすれば力が入り、力が入れば喉が締まる。細さを敵にした瞬間に、高音は苦しくなります。


それでも「やせた声」に聞こえるのはなぜか


結論:細さが問題なのではなく、細くしながら声を前へ押し出していることが問題です。前に押すと共鳴する空間が狭まり、細いうえに響きも失われて、やせた印象になります。


体験レッスンで高音の悩みを聞くとき、僕が最初に見ているのは大きく二つです。ひとつは声のプッシュ。声を前に押し出す癖があると、共鳴する空間がつぶれて高音で苦しくなります。もうひとつは呼吸の支え不足で、これがあると弱く出せばフラつき、強く出せば喉が締まります。


そしてこの二つのうち、高音の「やせ」に直結しているのはプッシュのほうです。同じ細さでも、前に押した細さはやせて聞こえ、後ろに引いた細さは通って聞こえます。


ミックスボイスにも二つのルートがあります。あくびのように後ろから鼻の奥へ回すルートと、前に寄せるルート。自然に聞こえるのは前者です。前に寄せるルートだけで高音を作ると、力強くはなりますが、使える場面がかなり限られます。

答えは「後ろに引きながら細くする」


結論:音程が上がるほど、声は細く、そして後ろへ行くべきです。細さと後ろ方向はセットで動かします。


レッスンでよくやるのは、同じ「あー」を前と後ろで撃ち分ける練習です。まず前に出して声を出し、次に同じ音を後ろに引いて出す。並べて聞くと、後ろに引いたほうが細いのに響いていることが自分の耳で分かります。


大事なのは、低音から音程が上がっていくあいだ、ずっと後ろに引き続けることです。音が上がると人は自然と前へ出したくなるので、意識して引き戻さないと、途中から前に寄っていきます。




ウタ子「後ろに引くって、具体的にどうやるんですか」




MASAYAH「あくびをする直前の、喉の奥がフワッと開く感じです。あれをキープしたまま歌います」




今日からできる練習


結論:口角を上げる、息を後ろから出す、小さい音量で位置を決める。この3つだけ試してください。


やること

  • 口角を上げて上の歯を見せる:口の形が変わるだけで、声の通り道が前から後ろへ切り替わりやすくなります

  • 息を後ろに引いた位置から、スピードをつけて出す:押し出すのではなく、後ろから走らせる感覚です。前に押すと詰まりやフラつきが出ます

  • まず小さい音量で音程だけ当てる:音量から入ると喉が力みます。小さい音で響きの位置を確定させてから、位置を変えずに音量を足します


とくに3つ目の順番は守ってください。位置が決まる前に音量を足すと、ほぼ確実に前へ戻ります。


力を入れていいのはお腹の支えだけです。喉にも声にも力は要りません。高い声は誰でも出せます。口の中の空間と形を変えて鳴らすものなので、力の問題ではないからです。


単発では出せるのに、歌の中だと苦しくなる人へ


結論:一音だけなら出せる高音が曲の中で出なくなるのは、歌っているうちに「現在地」を見失うからです。息継ぎのたびに後ろへ戻す習慣をつけてください。


これは本当に多いパターンです。単音で確認するときれいに出るのに、曲になると同じ音が出ない。原因は音域ではなく、歌っている途中でポジションが少しずつ前に流れていくことにあります。


対策は、息継ぎのたびに口から吸いながら喉を後ろへ引いて、ニュートラルな位置に戻すこと。僕はこれをホームポジションと呼んでいます。音程が高くなるほど前へ押し出しやすくなるので、フレーズごとにリセットをかけるイメージです。


喉そのものが締まってしまう感覚が強い方は、そちらから先に外したほうが早いこともあります。

自分の高音は、実はもう出ています


結論:歌おうとすると出ない高音が、日常会話ではすでに出ていることがよくあります。裏声にならずに自然に出ている高い声を先に見つけると、話が早くなります。


診断のとき、僕はよくテンションの上がる一言をわざと言ってもらいます。地元の話でも、好きなものの話でもいいです。興奮したときの声には、裏声になっていない自然な高音がそのまま出ていることが多いからです。


「出ない」と思っている音が、実は日常でもう出ている。それを本人に聞かせると、たいてい驚かれます。新しく作る必要はなくて、すでに出ているものを歌に持ってくればいいという話になります。


これは僕自身の話でもあります。ニューヨークとロサンゼルスにいた頃、高音が思うように出なくて来る日も来る日も練習していた時期がありました。ある日、何をするでもなく鼻歌を歌っていたら、練習ではあれだけ出なかった高さがあっさり出た。力が抜けていただけです。


海を渡れば何かが劇的に変わると思っていました。そんなことはありませんでした。答えは向こうにあったのではなく、力んでいないときの自分の中に最初からあった。それに気づくまでに、けっこうな時間とお金を使っています。疎くできるのかを調査してください


喋り声が、すでに限界ぎりぎりの人もいます


結論:普段から声を細くして高めに喋っている人は、歌に使える余力が残っていません。この場合は高音の練習より先に、話し声の位置を下ろす必要があります。


体験レッスンで一度、こういう方がいました。喋り声はむしろ高いのに、歌うと高い声が出ない。よく聞くと、普段から喉を狭めて鼻に寄せた細い声で喋っていて、すでにその人の限界近い高さで会話していたんです。


だから歌でそれ以上を求められると、上がる余地がない。この場合にやることは高音の練習ではなく、普段の声の位置を一度下げて、余白を作ることです。




ウタ子「原因が歌じゃないところにあることもあるんですね」




MASAYAH「けっこうあります。だから最初に喋ってもらうんですよ」




つまずきポイント


結論:一番の落とし穴は、後ろに引けた瞬間に「思ったより小さい」と感じて、音量を足しに行ってしまうことです。


後ろに引いた声は、自分の耳には物足りなく聞こえます。骨伝導で聞こえる量が減るからです。ところが外から聞くと、そちらのほうが通っています。自分の感覚と、聞こえ方が逆になるのがこの練習の難しさです。


だから、後ろに引けたと思ったら音量を足す前に一度録って聴いてください。自分の耳だけで判断すると、ほぼ前に戻します。

🤔 よくある誤解Q&A


Q. 高音で声が細くなるのは直すべきですか?


A. 細くなること自体は自然です。直すべきなのは細さではなく、前に押し出す癖のほうです。


Q. 高音は声量を鍛えれば太くなりますか?


A. なりません。太くしようとするほど力が入り、喉が締まって余計に苦しくなります。


Q. 生まれつき高音に向いていない人はいますか?


A. ほとんどの場合は違います。力の入れどころと声の方向の問題で、鳴らし方が変われば出ます。


Q. 後ろに引くと声が小さくなって不安です。


A. 自分の耳にはそう聞こえます。録音して聴くと、後ろに引いたほうが通っていることが確認できます。


❓ よくある質問(FAQ)


Q1. 高音で声が細くなる一番の原因は何ですか?


A. 細くなること自体は自然な変化です。やせて聞こえる原因は、細くしながら声を前へ押し出して、共鳴する空間をつぶしていることにあります。


Q2. 今日からできる対策はありますか?


A. 口角を上げて上の歯を見せる、息を後ろに引いた位置からスピードをつけて出す、まず小さい音量で音程だけ当てる。この3つを順番に試してください。


Q3. 大きな声で練習したほうが早く直りますか?


A. 逆です。音量から入ると喉が力みます。小さい音量で声の位置を決めてから、位置を変えずに音量を足してください。


Q4. 単音なら出るのに、曲の中だと高音が出ません。


A. 歌っているうちにポジションが前へ流れているのが原因です。息継ぎのたびに喉を後ろへ引いて、ニュートラルな位置に戻す習慣をつけてください。


Q5. 高音の細さとミックスボイスは関係がありますか?


A. 関係があります。ミックスボイスには後ろから鼻の奥へ回すルートと前に寄せるルートがあり、自然に聞こえるのは前者です。後ろへ引く感覚はそのまま土台になります。

✏️ まとめ:細さは正解、方向が課題


高音で声が細くなるのは、あなたの喉が弱いからでも、才能がないからでもありません。高い音ほど細くなるのは物理的に自然なことです。


分かれ目は、その細さを前に押しているか、後ろに引いているか。後ろに引けた細い声は、細いのに通ります。口角を上げる、息を後ろから出す、小さい音量で位置を決める。この3つから試してみてください。


そして、あなたの高音はもう日常で出ているかもしれません。テンションが上がったときの一言を、一度録って聴いてみてください。




ウタ子「細いままでよかったんですね。ずっと太くしようとしてました」




MASAYAH「みんなそうです。太くしようとして細くなるという、いちばん惜しいやつです」




ウタ子「惜しい言い方しますね」




MASAYAH「惜しいので言ってます」




自分の声がどちらに向いているかは、自分の耳では判断しづらいところです。無料体験レッスンで一度プロの耳を借りてみてください。これまで15年・約3,000人を指導してきた中で、高音の相談はいちばん多いテーマです。



今日もどこかで、あなたの歌がちょっと良くなりますように。


歌で世界を一つに MASAYAH(手書き署名)

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著者:MASAYAH


明治大学経営学部国際経営学科卒。ニューヨークとロサンゼルスでボイストレーニングを受けながら、日米のメジャーアーティストの制作に関わる。新宿にラニーボーカルスクール東京を創設しこれまで約3,000人をボイトレ指導。テレビやYouTubeなどメディアにも多数出演。

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